2005年06月26日
ローマ皇帝伝
ローマ皇帝伝 上スエトニウス(著), 國原 吉之助(翻訳)
岩波書店 (1986-08)
¥ 840
ISBN:978-4003344019
ローマ皇帝伝 下
スエトニウス(著), 國原 吉之助(翻訳)
岩波書店 (1986-09)
¥ 987
ISBN:978-4003344026
騎士階級出身のスエトニウスの2世紀初め頃の著作。
原題は De Vita Caesarum Libri VIII (カエサルたちの伝記八巻)で、共和政最後の英雄ユリウス・カエサルと、帝政を始めたアウグストゥス、そしてその後の10人の皇帝ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ、ガルバ、オト、ウィテリウス、ウェスパシアヌス、ティトス、ドミティアヌスの合計12人のカエサルたちを扱っている。ユリウス・カエサルからネロまではカエサルは家名だが、彼らと家系上のつながりの無いガルバ以降の皇帝もカエサルを名乗ったので、カエサルは皇帝の称号の一つに変化したと考えられる。だから、「カエサルたちの伝記」を「ローマ皇帝伝」と訳したのも納得できる。
内容は皇帝が個人的に関わった様々なことで、ゴシップや迷信深い記述も多く、タキトゥスに比べて信頼度は低いかもしれない。しかし、迷信深さも当時の人の気持ちを知る手がかりになるし、ゴシップもそういう話を人々が信ずるような背景があることを示す貴重な資料である。
"Twelve Caesars" という言い方を良く見かけるが、スエトニウスが皇帝伝で扱った12人のことを指している。
投稿者 augustus : 2005/06/26 18:52 | コメント (0) | トラックバック (1)
2005年06月24日
私のプリニウス
私のプリニウス澁澤 龍彦(著)
河出書房新社 (1996-09)
¥ 612
ISBN:978-4309404837
古代ローマの大博物学者プリニウスが残した大著「博物誌」について、雑誌「ユリイカ」に連載した記事をまとめたもの。
現代から見るとプリニウスの書いたことにはほとんどでたらめと言って良いものも多いのだが、古代の人が天文・地理、動植物、鉱物、薬物、人間文化についてどんなことを知っていたのかが分かって非常に興味深い。(例えば、「雷は雲と雲の摩擦によって生ずる」などという記述には驚かされる。)
「博物誌」の全和訳も出版されているので、さらに興味を持った人は入手を検討すると良い。
プリニウスの博物誌 全3巻
投稿者 augustus : 2005/06/24 18:58 | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年06月23日
羅和辞典
羅和辞典田中 秀央
研究社 (1966-10)
¥ 4,935
ISBN:978-4767490243
古代ローマで使われていた言語がラテン語だ。ローマ史ファンなら、ときどきラテン語の単語を調べたいことが出てくるので、手元に羅和辞典が一冊あると便利である。
英語が得意な人なら Latin-English Dictionary の方が良いかもしれない。もっと安いものがたくさん出版されているのだ。
投稿者 augustus : 2005/06/23 18:55 | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年06月22日
アグリッピーナ物語
アグリッピーナ物語弓削 達(著)
河出書房新社 (1985-03)
¥ 378 (1990年再版のものは420円)
ISBN:978-4309401102
ネロの母である小アグリッピーナの人生を描いた一冊。
夫クラウディウス帝を毒殺し、母子相姦を迫ってネロをコントロールしようとしたアグリッピーナは古くから稀代の悪女とされてきたが、弓削氏は同情的に彼女を描く。 彼女の人格形成に大きく影響したであろうティベリウス時代からの宮廷内のいろいろな陰謀についてもかなりのページを割いており参考になる。
投稿者 augustus : 2005/06/22 18:47 | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年06月21日
グラディエーター (DVD)
グラディエーターリドリー・スコット(監督), ラッセル・クロウ, ホアキン・フェニックス, コニー・ニールセン, オリバー・リード,
DVD (2005/04/08) ¥1,565
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
ローマ軍の尊敬を一身に集めるマキシマス将軍が、奴隷の身に落とされ、妻子を殺されて、生きる意欲を失っていく。惰性のまま闘技場で戦っていくが、いつか復讐を目指し真剣な戦いをはじめる。
見所としては、冒頭の戦闘シーンは迫力満点で、まず見るものの心を引きつけてしまう。個人的には闘技場での戦車弓兵部隊との戦いがスリル満点で素晴らしいと思う。敵役のコンモドゥスを演じたホアキン・フェニックスも良い味を出している。
素晴らしい映画だが、史実ではコンモドゥスは父帝を殺していないし、円形闘技場で死んだわけでもない。マキシマス将軍も実在のモデルはいない。と、いうわけで、史実と混同することなく、フィクションとして楽しんで貰いたい映画だ。
第73回アカデミー賞で5部門受賞。
投稿者 augustus : 2005/06/21 18:34 | コメント (0) | トラックバック (0)
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