クラウディウス ( AD41-AD54 )

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claudius_01 obv. claudius_01 rev. As
29mm, 13.09g
AD42 , Rome

表:クラウディウス 裏:ミネルウァ(知恵と工芸の女神)

先帝カリグラ殺害の報を聞いた彼の叔父クラウディウスはカーテンの陰で震えていたのだが、親衛隊によって発見され皇帝と宣言される。 彼は政権運営に皇帝家に仕える解放奴隷を重用し、元老院からはよく思われていなかった。
彼の3人目の妻メッサリナは悪妻として知られ、クラウディウスにあること無いこと吹き込んで、多くの人を殺させる。彼女は不貞でも知られ、48年には何のつもりか、愛人の一人ガイウス・シリウスと結婚式を挙げる。もちろん、彼女もシリウスもその後殺されることになる。
4人目の妻アグリッピーナは、さらに輪をかけた悪妻。クラウディウスをだまして、彼の実子ブリタニクスではなく、彼女の連れ子ネロに後継者の地位を与えさせる。そして、クラウディウスを毒殺して我が子を皇帝にするのである。
クラウディウスは障害があったため、即位前は周囲からバカ扱いされていた。しかし、頭脳はしっかりしており、残された演説は立派なものである。現存していないが歴史についての本も執筆している。 また、彼はクラウディウス水道とオスティア港の建設でも知られる。


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claudius_02 obv. claudius_02 rev. Denarius
18.5mm, 3.38g
AD50 , Rome

表:クラウディウス 裏:アグリッピーナ

アグリッピーナ(小)はゲルマニクスとアグリッピーナ(大)の娘として15年に生まれる。父方はリウィア、アントニウスに繋がり、母方はアウグストゥスアグリッパに繋がっているという超一流の血筋。また、父のゲルマニクスは将来の皇帝とみなされていた人であった。

19年にゲルマニクスが病没してから一家は不遇になり、セイヤヌスの陰謀で29年から30年にかけて母や兄たちが相次いで流刑、投獄され、その後獄死してしまう。
結婚前には兄カリグラとの近親相姦があったと言われている。28年に結婚し、37年には後の皇帝ネロを生む。
39年に夫が病没。同年、カリグラ帝への反逆罪でポンティア島に流刑になる。
41年にカリグラが殺害され、叔父クラウディウスが即位すると、アグリッピーナは釈放される。

49年にクラウディウスと結婚し皇后となる。50年には息子ネロをクラウディウスの養子にさせ、52年には息子ネロクラウディウスの娘オクタウィアが結婚する。
そして、54年にクラウディウスを毒殺し、ネロを帝位につけることに成功する。

ネロを傀儡として自らが権力を握るつもりだったのだが、ネロはセネカなどを補佐役として母から自立し言うことを聞かない。母子相姦によってネロを支配しようとしたとの説もある。
59年、ネロの刺客によって殺される。ネロは死んだ母を見て「俺はこんな美しい母親を持っていたとは知らなかった。」と言ったという。

アグリッピーナは稀代の悪女と言われている。確かに悪女の名に恥じない行いではあるが、権力にあまりに近すぎて命の危険におびえる毎日を送ってきた彼女には同情の余地もある。息子の安全のために息子を最高権力者にさせようというのは理解可能である。それで満足できれば平穏な老後を送れたのかもしれないが、最高権力者となった息子ネロを支配し続けようとしたところにアグリッピーナ最後の悲劇の原因があったと言えるかもしれない。


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antonia_01 obv. antonia_01 rev. Dupondius
31mm, 16.8g
AD42 - AD43

表:アントニア 裏:シンプルム(供犠の神酒用ひしゃく)をもつクラウディウス

BC36年にアントニウスとアウグストゥスの姉オクタウィアの娘として生まれる。 大ドルススと結婚して、ゲルマニクス、クラウディウス、リウィラなど多くの子供をもうけたが、成人したのはこの3人だけであった。

スエトニウスの皇帝伝によると、後の皇帝で障害のある息子クラウディウスに対する扱いはひどいものだった。アントニアは、クラウディウスのことをいつも「人間の姿をした怪物」と呼んでいた。また、誰か愚かな人を非難するときには「私の子クラウディウスよりも馬鹿ね。」と言っていたという。

AD37年に死亡する。その後、クラウディウスが帝位に就くとアウグスタの称号が与えられた。


ガイウス(カリグラ)古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)ネロ


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