ウェスパシアヌス ( AD69 - AD79 )
ウェスパシアヌスはネロ帝のギリシャ巡幸中、皇帝の演奏中に居眠りをしてしまい不興を買うが、 有能な軍司令官だったため67年ユダヤ属州の反乱鎮圧に派遣される。 反乱軍との戦いの最中にネロ帝自殺の知らせを聞く。69年に皇帝を宣言、 内乱を勝ち抜いて70年にローマ入城。 ネロの無駄遣いで国庫が火の車になっていたのをみたウェスパシアヌスは 税収増加を計り、公衆トイレに課税を行った (今でもイタリア語で公衆トイレは "vespasiano" と言う)。 評判を気にして諫言した長男ティトスに対して、 銀貨を鼻先に突きつけて「臭うか?」と訊ねたと言う。 つまり、公衆トイレから課税した銀貨も他の銀貨も同じ だということ。 死ぬ直前に「最高司令官は立って死なねばならぬ。」と言って立とうとするが くずれおち息を引き取る。69歳であった。 ローマに残るコロッセオは彼が建築を始め、ティトスの時代に完成したもの。 ローマで絶対に見落とすことのできない観光スポットである。 |