トラヤヌス ( AD98 - AD117 )
トラヤヌスは五賢帝の二人目。スペイン出身。 初のイタリア以外出身の皇帝で、最良の皇帝と呼ばれる。 最良と呼ばれたのは、元老院との関係を重視したためだが、 形式的な部分では 確かに元老院の権威を重視する姿勢を見せ続けていたが、 実質的な権力は決して 手放さなかった。歴史を書いたのが元老院階級の歴史家たちであったので、 「最良」と呼ばれたのである。この辺は実質を重視して、元老院の 形式的権威を 軽視したドミティアヌスの場合と正反対と 言えるだろう。 征服を繰り返し、彼の時代にローマ帝国の版図は最大となる。 中でも、ダキアでの戦いの様子は「トラヤヌス記念柱」の壮大な レリーフに 今も残っている。 小プリニウスとの往復書簡は、当時の対キリスト教徒政策がいかなるもので あったかがわかり大変興味深い。 彼の名声は何世紀も生き続け、 14世紀に書かれたダンテの「神曲」の中でも、 キリスト教以前の皇帝では トラヤヌスにだけ天国の座が与えられている。 |
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