アントニヌス・ピウス ( AD138 - AD161 )
五賢帝の四人目。 先帝ハドリアヌスは元老院に憎まれており 死後あやうく断罪されるところであった。 しかし、先帝が断罪されてはその養子であるアントニヌス・ピウスの 立場も弱くなるので、 彼は元老院を説き伏せてハドリアヌスを神格化した。 (やはり、罪人の子より神の子の方が聞こえがいい。) 彼の治世はおおむね平和に恵まれ、彼はローマを離れることなく統治した。 しかし、何もなかったわけではなく、いくつかの属州では軍事的衝突は 発生していた。 彼の人格は賞賛されており、マルクス・アウレリウスの 「自省録」の中では 「わが父から(受け継いだもの)は。温厚さと熟慮に基づく決定の 確固たる維持を。名誉とみなされる事柄に対し空虚な思惑をもたぬことを。 勤勉と着実とを。公共の利益になる案をもつ者にすすんで 耳を傾けることを。誰についても偏向なく各自の適正に応じて任務を 割り当てることを。」 などと書かれている。 2枚目のコインの裏側の肖像は若き日の マルクス・アウレリウスである。
アントニヌス・ピウス帝の妻。 140年の10月か11月に死亡し、死後神格化される。彼女のために作られた 「アントニヌスとファウスティーナの神殿」は17世紀に教会に転用されて今もフォロ・ロマーノに残っている。 |
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